金魚迷惑

★☆★不定期更新★☆★


~外側からしか見ることのできない自分を閉じ込めている檻~

人間は、これこそが自分自身だと思っているものを守ろうとして壁をめぐらす。
そしてある日、その壁の内側に閉じ込められ、出られなくなってしまうのだ。

ロバート・フィッシャー『ナイト』より
Men are not prisoners of fate, but only prisoners of their own minds.
ーFranklin D. Roosevelt
The significant problems we face cannot be solved at the same level of thinking
we were at when we created them.
-Albert Einstein


気づいてみる。意識してみる。何かが変わり始める。
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早期教育について考える
前に心の発達について書かせていただきましたが
お子さんへの早期教育に関心のある親御さんが
多いことを知りました。

早期教育と一口にいっても、すべて知育偏重というわけでは
ありませんし、ワタシ自身はこの分野の手法にあまり詳しくないので

ひとからげに早期教育を批判する主旨ではない
ことを前置きした上で…

かなり前に日本で手にした「脳を知りたい!
(野村進 講談社+α文庫 2001年)」
という本の第一章にあった
脳と早期教育」の内容を思い出しましたので
記憶に留めるためにも、こちらで少しご紹介させていただきます。

右脳が大量暗記に適し、大量の暗記が右脳を開くという説について
サルの前頭葉の研究で知られる久保田競(京都大霊長類研究所元所長)氏は
「僕だって知りませんよ(苦笑)」と答えています。
また脳は非常に可塑的(柔軟性に富んでいる)であって、幼児期にIQが
決定され、成長後のIQがほぼ正確に予測できるという説には全く否定的です。

IQについても、米国の認知心理学者ハワード・ガードナー博士による
知能の多重性」という理論によって、知能はひとつではなく、八種類か
それ以上の知能がおのおの独立・平行して存在
し、IQはそのごく一部の
測定に有効とみなされているに過ぎないという見解があります。

北海道大学医学部の澤口俊之教授は、これらの知能をまとめて
コントロールするものこそが『自我』
であり、これが前頭連合野の
46野あたりにあるという仮説を打ち出しました。

乳児の脳画像研究をされる小西行郎埼玉医大教授は、
乳幼児の脳に特定の刺激を与えすぎることは、
脳の発達に悪影響を及ぼしかねない
と危惧されています。

個人的には、人格が脳機能(実際にはまだまだ解明されていない)から
統合的に創造されるものだとすると、知育(に限らず)偏重の危険性は
やはりあり得るかと考えます。

長くなりましたがこの章の最後に、早期教育ではつねにその名前が挙がる
ソニーの井深大氏についてふれてあります。

氏が早期教育に傾倒した理由は知的障害児のわが子に
何もしてやれなかったという無念さからであること。
また晩年には「知的教育は言葉がわかるようになってから、ゆっくりでよい
(朝日新聞90年4月28日付夕刊)と、真情を吐露していることは
案外知られていないように思いました。

子どもが愛されているという安心感とか、好奇心を伸ばせるような
環境を与えてやることのほうがずっと大事。

肝心なのは天才に育てるんじゃなくて、幸せな人に育てるということ。


前述の小西氏の言葉が、"心"に残った内容でした。
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by dryangle | 2008-06-18 15:15 | 子育て・教育 | Comments(2)
ヒトラーの親子関係と「魂の殺人」
心の不調や問題には、いわゆる「生きづらさ」から精神疾患までのスペクトラムがあります。
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多分野から
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…ちょっと重たい話題です。

東京・秋葉原で起こった無差別殺傷事件をニュースで知り
暗澹たる気分になったせいでしょうか。

この種の事件が続いているということで、アメリカの
銃乱射事件の頻発にも重ねられ、今後が気にかかります。

他の人を人間とも思わずに残虐に殺せてしまう
その狂気は一体どのように作り出されるのだろうか?


そんなことをじっくり考えた時期がありました。それはきっと

心の内に、溜め込まれた巨大な屈辱と怒り
憎しみのエネルギー。


アリス・ミラーの「魂の殺人-親は子どもに何をしたか-
という本に出会って感じたことでした。 
ヒトラーが受けた家庭教育については、よく知られています。

親による完璧なコントロール、虐待まがいの躾

闇教育と呼ばれたかつてのドイツの躾が、日本の教育にも
影響を与えたという説には、多少の信憑性を感じましたが

いわゆる、フツウ、人として、ワタシなら、といえるような
人々には、想像もつかないような過酷な教育・躾を受ける
子どもがたしかにいるのです。

屈折した自己愛の崩壊に、異常なまでに肥大した敗北感
屈辱感、怒り、憎しみが掛け合わさった時

恐ろしいエネルギーが生み出されるような気がしてなりません。

という権威が、いつしか巧妙に社会へとすり替えられた時
(親の要求が、世間や社会によるものだと思い込まされる時)
その復讐・反撃の矛先が、(不)特定(多数)の他者に及ぶように
思うのです。

魂を殺されてしまった人は、(自分を含め)人間の実際の命を
奪うことへの抵抗が弱まるのかも知れません。

子どもの魂を殺してしまえば、子どもも殺すことを学ぶのです。
そうなったとき子どもにはただ殺す対象に関して
選択の余地が残されるだけです。
自分を殺すか、他人を殺すか、それとも両方か。


アリス・ミラー「魂の殺人-親は子どもに何をしたか-」より
(著者は、とくに二・三才頃までの記憶「意識の表層」に残らない
時期に、意志を殺すことと服従を「躾」られる弊害
を力説。)

※病気や不慮の事故などによる脳機能不全や損傷が
 人格に影響を与える場合のあることもつけ加えておきます。

●追記●
闇(病み?)教育はあったのか?
佐世保の事件にあたり関連する内容を書かせていただきました。
合わせてどうぞ。
2014.8.4
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by dryangle | 2008-06-11 14:12 | 子育て・教育 | Comments(3)
心の発達不全~知育偏重の最先端
知人から、以下のような母子の会話の
エピソードを耳にしました。
(出所は不明です)

ある母子が、道端にチューリップが咲いているのを見つけました。

子:お母さん、お花が咲いているよ~!
母:〇〇ちゃん、黄色いチューリップが3本
  赤いチューリップが4本、全部で何本?


この種の話には、猫バージョンというのもあって…

子:お母さん、ネコちゃんがいるよ~!
母:〇〇ちゃん、お耳が二つ、おめめが二つ
  お鼻とお口は一つづつ、全部でいくつ?


あり得そうな話だと、率直に思いました。

学びのための一つの機会として、これを否定する
つもりはまったくないのですが

もし、一事が万事この調子だとしたら?

心の育つ機会はいつあるのだろうか?

と問わずにはいられません。

人の心は生まれつき備わっているものではありません。 

自分自身、これまでをふり返って心も能力だと
つくづく思います。

脳科学が流行していますが、心といった高次の機能にも
言語と同様にそれを育むのに重要な時期というものが
たしかにあるように考えています。
感受性期(sensitive period)、もしくは臨界期(critical period)
といったものが、存在するかも知れません。

その時期を活かし、子どもに人の心を育むのは、他でもない
ワタシ達一人一人の親、そして大人。

イキイキとした心を虚勢された人々の、絶望に支配されるような
社会が目の前に広がることのないように。

…心を(で?)尽くしたいと思うのです。

※ある機能を獲得するために、適切な期間。
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by dryangle | 2008-06-10 13:02 | 子育て・教育 | Comments(3)

Illustration by ふわふわ。り